ネットにつながらない!

初心者から上級者までインターネットの接続がないとかの話をよく聞きます。

近年は「物理的に線で繋がなくても、既に無線で繋がる」ので、意識が希薄気味になりがちです。

そして出てくる「インターネットが壊れた!」という謎も出てくるわけで。

(元ネタは『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の四宮かぐや様のセリフです)

 

原因としてはもっと深刻化はしてて、もっと複雑になっている気はします。

ただ大まかなパターンは存在しているので、パターンごとに紹介していきます。

 

個人的にこういったページは本当にネットに繋がらない状態でも見れるようにするため、

簡単な紙などにまとめて行政などが無償で配布すべきと思っています。


無線編

ここでは完全に無線オンリーの話となります。

無線と有線が両方使える場合でも、無線が優先されていると同じような問題に遭遇します。

もし無線に問題があるなら有線を使いましょう。 駄洒落であっても有線を優先せよ。

(このことはプロバイダについても同じことが言えます)

適切な距離

スマートフォンやノートPCなどの端末と、無線LANとの距離が遠すぎると接続できません。

特に一戸建てでは壁や床の断熱材等が要因でダメになることが多いです。

 

同じ部屋で無線LANと近ければ最大効率であることは間違い有りません。

ただ大抵は隣の部屋とか、1階と2階とかで分かれていることが現場の実情だと思います。

 

解決方法には、2.4Ghz帯に変える、無線LAN同士を中継する機材を購入するのがあります。

5GHz帯よりも2.4GHz帯の方が遮蔽物に強いので、混線しなければ変えるのも手ではあります。

コストや設置場所に余裕があれば、機材同士で中継させるのもかなり有効でしょう。

 

場所によっては、無線を諦めて有線やPLCを使うのも検討する必要があります。

特に速度や安定面については有線が絶対最強なので、出来るなら有線LAN化したいところです。

食い荒らされた混線

かつてPSPだとかDSとかで問題になっていたのが「2.4GHz帯の不安定」があります。

自動検索すると無線LANが大量にあって、全部2.4GHz帯で通信しているので混線しまくります。

このため混線に強い5GHz帯を使うのを推奨しています。

 

以前まで2.4GHzのみの機器が主流でしたが、最近は5GHz帯に対応する機器も増えました。

対応しているものには「Wi-Fi 5」「Wi-Fi 6」ともあるので、これを使いましょう。

(規格名であればIEEE802.11aIEEE802.11acIEEE802.11axがそれにあたります)

逆に「Wi-Fi 4」は2.4GHz帯しかないものなのでこれは選ばないようにしましょう。

 

少し先の未来にはなりますが、Wi-Fi 7となるものも登場するとのことです。

これは2.4GHz帯も5GHz帯だけでなく、6GHz帯も使う規格となっています。

ただ規格名が「IEEE802.11be」と2.4GHz帯のIEEE802.11bに似ているのでちょっと注意です。


有線編

線そのものがおかしい

有線LANは線を繋いで通信するので、線そのものに異常が出ると通信も異常になります。

主にタンスで踏んでいたり端子のツメが折れたりなどの線の劣化でよく起こります。

 

線そのものがおかしい場合、ケーブルの端子線そのものを交換するしかありません。

ケーブルはそこまで高くないのでまるごと交換した方が早いです。

(端子を交換するといっても専用の道具が必要なので初心者は結構辛いと思います)

触れたら回っていただくきます

IPAが開発した超意欲的なシステムで見られた「絶対にケーブル触れるな!」のように、ケーブルを配置する場所がおかしいのも通信エラーになりやすいです。

前述したタンス以外にも、経年劣化などで外側の被覆部分に傷つくだけでもダメージになります。

破けて内側がむき出しになったらエラーが出まくるとも。

 

経年劣化はどうにもなりませんが、人が通るような場所は足で踏まないような配線が必要です。

壁や天井にケーブルを這わせる、ケーブルを守るカバーみたいなのをつけるなど。

オフィスとかだと天井だけじゃなく床下にも配線させることも検討すべきでしょう。

(賃貸物件ではまず出来ないことが多いのと、そこまでしなくても工夫できるはずです)


機材編

端末側の故障

たまにあるのが、ノートPCの無線部品が劣化して不安定になることもあります。

この場合、有線接続にすぐ変更できるなら変更してしまった方が良いでしょう。

 

どうもノートPCによっては無線にすると発熱量も高くなるような気がします。

多分そのあたりで性能などが劣化しているのかもしれません。

LANが壊れていた

逆にアクセスポイントやルーター等の機材が壊れていたパターンもあります。

この場合、その機材を交換する以外に方法はほとんどありませんので真っ先に変えましょう。

 

ただ機材がプロバイダーからのレンタル品だとすぐに届かない可能性もあります。

リスク等を考慮して無線用LANは自分で購入するのが安全かもしれません。

(ケーブルモデム等では接続台数縛りもあるので、ルーターを購入するのがほぼ必須だったり)

余計なものがある

ちょっと特殊なパターンとしては、余計なアドオンやツールで阻害されている可能性もあります。

この場合、サイトそのものには行けてもその先には行けないみたいなことが結構多いです。

特に広告ブロッカーと相性が悪いサイトも一部存在しているので、ブラウザの「シークレットウィンドウ」機能での確認もした方が良いでしょう。

いらすとやよりも複雑なループ

アクセスポイントとケーブルのつなぎ方によっては、ネットワークがループするような構成になってしまい機材などがダウンすることがあります。

いわゆるループ接続によるブロードキャストストームが発生したので落ちています。

(どちらかと言うと企業の現場猫案件的なもので多く見られるあるあるネタです)

 

どこにアクセスポイントがあるか、どこに繋いでいるかの図が必要になります。

いわゆる「ネットワーク構成図」となるもので、地図にもなれば構築時の設計図にもなります。

無い場合はまずそれを作ることを優先した方が良いかもしれません。

今後同じようなことでコケないためにも、コケてもすぐに復活できるようにするためにも。

 

検索すると綺麗で複雑でツールで使っているアイコンで描いていることが多いです。

企業とかなら企業のルールに従うべきなので、そちらに合わせましょう。

ただ自宅などであればこういうのが苦手な人向けな簡単な図の方が良いこともあります。


プロバイダ編

パケ死

今では「ギガが消えた」とか「ネットを使い切った」という単語になっていると思います。

いわゆる「パケ死」というやつで契約した利用量に到達して低速になった状況となります。

見た目上は接続できないと錯覚を起こしかねないほど遅いです。

 

いわゆる光などの固定回線ではこの話はありません。

どっちかと言うとスマホ等の無線を使う回線でよく出てくると思います。

 

課金して利用量を拡張するとか、回線の契約内容を見直す等が必要になると思います。

最近はスマホ等でも容量無制限プランもありますが、有事や回線パンクに弱すぎる無制限が永久に保証されていないという弱点もあります。

ステイホームなどの理由で長期滞在する場合は、無線よりも有線接続を選ぶべきです。

死語にならないナローバンド

昨今は光回線の利用できるエリアも増えましたが、それでも低速回線は未だに存在しています。

(ここで言う低速回線は初めから低速すぎて使い物にならないものを指します)

ナローバンドという単語が未だに死語とならないのはそういう理由もありそうです。

 

解決方法はプロバイダや契約内容を変更するなどのレベルでしかないことが多いです。

しかしインターネット利用可能な物件でも低速回線しか使えない詰みパターンもあります。

「インターネット利用無料」では低速回線しかないパターンが多いようです)

もう引っ越す以外に道がありません。

 

一応、すぐに解決したいのであればホームルーターという手段があります。

ただ用途によっては容量が足りなかったり、そもそも不安定になることもあり得ます。

前述した「パケ死」を回避しようとして、こっちに変えようとしたら結局詰んだということも。

物件選びではそうしたことを念入りに調査する必要もあるといえます。

 

また『Starlink』などの衛星通信もありますが、現時点では選択肢に入れるのは難しいでしょう。

本気の山奥で光が届くのも時間がかかるとか、無人島で線すら引かれないとかのケースぐらいしか適用されないかもしれません。

しかもそういう地域はスマホは接続できることが多いので、ホームルーターなどを検討すべきです。

回線崩壊

コロナウィルスで医療崩壊したのと同じように、インターネットの回線も崩壊する時もあります。

一発の回線速度は早いけど利用者が多すぎて渋滞して遅くなるという状態です。

 

主にプロバイダ側や物件の大家さんとかが渋滞の原因を取り除かないと難しいです。

これもプロバイダ変更等のレベルでしか解決できないことが非常に多いです。

しかもどこに変えればいいんだという問題があるのでこっちの方が厄介かもしれません。

 

個人的な主観ですが、以下のようにプロバイダの情報を集めると良いかもしれません。

  • 地元の高速回線(ケーブルテレビや電力会社系も選択肢に入る)
  • 大手でどこでも使えるような高速回線(携帯会社とかも参入しているアレ)
  • 地元のケーブルテレビ回線(大手ケーブルテレビよりも地域密着の方が強いことが多い
  • 大手ケーブルテレビ回線(この中では一番遅いが有線なだけマシ?)

ちなみに上記は全て有線回線となっています。

無線による回線は使いすぎると無制限にならなくなることが目に見えているので非推奨です。

どうしても有線が引けないとかの人ぐらいしか選択肢にありません)


どうにもならない編

プロバイダそのものが障害を起こしたり、CDNの障害でインターネットに接続できないとか。

基本的にこのレベルに到達した場合、個人レベルではどうにもならないことが多いです。

親が障害起きてた

まずはプロバイダ側で不具合などによる障害で接続できないというケースです。

ソフトバンクやauの大規模障害とか、NTTの大規模障害とかがこれにあたります。

これはどんな回線でも起こりえる話です。

 

一応、Downdetectorというのもありますが、SNSからのフィードなので誤検知もあります。

念の為にプロバイダの公式ホームページ等でも確認をしておきましょう。

ただ障害発生直後は大抵更新されてなかったり、そもそもアクセスできないこともあります。

 

回線がまるごとダメになっているので、別会社の回線を用意するしか対策はありません。

スマホなら2台持ちとかで対応できそうですが、家のネット回線はそうも行きません。

家とスマホは会社レベルで回線を別にするのは立派な戦略と言えます。

(一例として「スマホはdocomo、家はソフトバンク」みたいな感じです)

 

ちなみにJ:COMなどにおけるケーブルテレビを使ったインターネット回線では、

インターネット障害が発生してもテレビの放送は無事というケースも多いようです。

ただ一部サービスでは障害発生時にチューナーも自動再起動するので、テレビを見ていた時に急に真っ黒になって、そこで気づくこともあるそうです。

(2023年10月21日のJ:COM大規模障害ではそういうことが起きていました)

CDNの障害

またCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の障害でも、インターネットに接続できないように見えることもあります。

この場合、障害が起きていないCDNのサービスに接続できるかで判断しています。

 

ただ普通の人はCDNなんか気にしないですし、気にしたところで調べようがありません。

一見無関係のサービス群が大量に接続できないので、「インターネットが壊れた!」と叫んでも致し方ない気がします。

しかも対応策は待つ以外に無いことが多すぎるので何もできませんし。

 

こちらもCDNのステータスページを見て確認することは可能です。

CDNによってはDowndetectorも接続できないので、公式のCDNページを見るのが吉と言えます。

 

似たものとして、会社などで関連しているために別サービスが巻き添えを食らうこともあります。

結局こちらもどう関連してるかまでは分からないと思いますが……。

大型アップデートによる回線パンク

高速回線でもゲームやOSの大型アップデート等で回線そのものがパンクすることもあります。

基本的に一時的なものではありますが、場合によっては1~2日ほどかかると言われています。

こうしたものは自分よりも、他人のアップデートで巻き込まれるのが多い気がします。

 

自分がアップデートに関係している場合、近年は「事前アップデート」があったりするのでそれを使うのも1つの手です。

また、深夜等の誰も使わなさそうな時間帯に行う分割ダウンロードするのも負荷は減ります。

それでも安定したいなら、スニーカーネットばりの物理的なアップグレード手段も検討すべきです。

 

サービス提供側もアカウント別にデータを分割配信したりとかして、実際のアップデート作業はインターネット無しでも出来るような配慮もすべきかもしれません。

(それがないとプロバイダ側が利用者数を制限するといった事態になりかねません)

大規模災害によるネットワーク破損

大規模な災害によってネットワークそのものが破壊される可能性もあります。

2022年のフンガ・トンガ噴火では、海底火山の噴火によって海底ケーブルが破損して外国との通信がほぼできない状況になっていました。

 

破損したケーブルをもう一度引き直して復旧しましたが、そのレベルでしか復旧は出来ません。

その事業に参加している会社に寄付や復旧作業の参加以外に出来ることは本当に限られています。

 

一応、衛星通信の手段はあるため、緊急時にはそれを使って対処は出来ると思います。

(実際フンガ・トンガの噴火で衛星通信が活躍したとの話もあります)

ただ環境によって回線品質は乱高下するので最後の手段と考えるべきです。

 

なお海底ケーブルは自然災害以外でも破壊されることが既に台湾などで証明されています。

日本で国外のページに飛ばない場合、有事の可能性(=戦争)を疑う必要があるかもしれません。


チェックする時に使うページ・サイト

ネットのチェックをする時、よく使うサイトに以下の場所があります。

これらを使ってちゃんと見れていれば正常に接続出来ていると判定できます。

検索サイトへアクセス

そのままGoogleでググる、Yahoo!でヤフるという一番シンプルなチェックです。

かつてはYahoo!だけだとYahoo!が死んでただけなパターンがあるので、Googleも入れています。

 

稀に両方死ぬケースもありうるので、InfoseekやExcite等もあると効果的かも。

EdgeもMicrosoft Bingを使っているので、それ以外の場所を指定するようなものです。

 

CDNのレベルであれば、GoogleとBingでクリアは出来そうです。

ただ2つとも死ぬケースも無くはないので、他検索エンジンの確認も必要はありそうです。

阿部寛氏のホームページを見る

日本では阿部寛氏のホームページを見るというチェック方法も有名です。

これはインターネット全体でも非常に軽いホームページとして知られているためです。

旧型のブラウザでもアクセスできるほどの使用性を持っているようです)

 

ただこのページは本来ファンサイトから公式化したもので、意図された用途とは異なります。

利用後は『TRICK』などの阿部寛氏が出演している作品を購入すると良いでしょう。

 

これに似たパロディのページ等は多くありますが、いずれもテスト用とは異なることが多いです。

稀に吉田製作所さんのようにテスト用途にもできるページもあるようです。

 

なおホームページがあまりにも知られているので、テレビなどで紹介されると一時的にホームページが重くなるという事態も起きてしまいます。

その場合はそれこそパロディしたページ等を使うなどでの確認を取ると良いかもしれません。

「地獄耳」等の個人ページを見る

最終的な判断として、個人のホームページを見てしまうというのも立派な手です。

一般的なホームページだと適度に重くてHTML5も使われているので最適だからなんです。

 

少なくともこのページが見れていれば、他サイトでも問題なく見れるとは判断しています。

もちろん地獄耳のみではジンドゥーさんのメンテやCDN障害とかもあるので、他サイトも併用するとより効果は上がると思います。

『The Test Page.』について

阿部寛氏のホームページは意図された用途と異なる使われ方をされまくっています。

というわけで、こっちで独自にテストページみたいなのを作っておきました。

あらゆる要素がない超シンプルなテスト用途として使えるはずです。

ただあまりにもアクセス数が多すぎる場合、何か別の方法を検討します。


回線速度

回線速度についてはどこのテストサイトでも良い……というわけでもありません。

Googleの表示結果によっては偽のテストサイトなんてのもあるからです。

 

一般的にはUSENさんちやFast.comさんちを使えば問題はないでしょう。

かつてUSENさんちでは「ドラゴン級」や「ウサギ級」とかで評定されていたのもありますし。

(最近はそれが煽りとみなされたのか「快適」だとか「普通」だとかの一般的な言葉になりました)

 

近年はサイト側も複数の接続先を用意しており、自動で最適な接続先を選択するようです。

できることなら全部テストをして、どれも安定していることを確認すると良いでしょう。

 

なお、ISPによっては回線テスト時のみ速度がアップするトンデモ仕様が存在しているようです。

まだ日本での確認はされていませんが、海外ではそういうのがあるとのこと。

別のサイトアプリ形式のソフト速度が見れるデバイスを噛ませる必要も出てくるかも。